カフェイン含有エナジードリンクの大量摂取により日本で初めて死者が出たというニュースがありました。
カフェインはコーヒーやお茶等に含まれている非常に身近な成分で、日常生活でほとんど毎日のように摂取しているのではないでしょうか。
カフェインには眠気覚ましや興奮作用、利尿作用等の効果が知られており、車の運転で眠くなってきたときや試験勉強や仕事で徹夜するとき等に頭をスッキリさせるために良く使われています。
また、鎮痛作用もあるので食品以外にも感冒剤等の薬の中にも含まれています。
カフェインの作用

カフェインは脳内のアデノシンとアデノシン受容体と呼ばれる物質に結びつくことで作用します。
アデノシンというのは脳の疲れを感じさせる物質であり、アデノシンがアデノシン受容体とくっつくことで脳が疲労を感じてしまいます。
カフェインはこのアデノシンよりも早くアデノシン受容体と結びつくことでアデノシンの働きを遮断し、脳が疲れを感じにくくなります。
しかし、カフェインを摂取すればするほどアデノシン受容体は増加し、どんどん脳が疲れやすい状態になっていきます。
その結果、疲れを感じやすくなってカフェインの摂取量が増加し、カフェイン中毒に陥ってしまうことがあります。
カフェインの致死量
カフェインの摂取量についての明確な基準は今の所日本にはありませんが、海外では摂取量の基準が設けられている国もあります。
カナダでは健康な成人であれば1日400mg、子供では45~85mgという摂取量の目安が設けられているようです。
だいたいコーヒーには約60mg、お茶には約20mg、エナジードリンクには120~150mgのカフェインが含有されているので、成人であればコーヒー7杯くらいが摂取量の目安ということになります。
成人のカフェインの致死量は3,000mgだと言われているので、コーヒーだと50杯、エナジードリンクだと20本を短時間で摂取してしまうと死に至るおそれがあるということになります。
カフェイン含有量が多いドリンクは!?

カフェイン含有ドリンクはたくさん販売されていますが、その中でも含有量が多いドリンクにはどのようなものがあるのでしょうか?
カフェインがたくさん入っていそうで有名なエナジードリンクとしては「レッドブル」が思いつきますが、レッドブルのカフェイン含有量は約80mgとそんなに多くはありません。
対して同じくエナジードリンクとして有名な「モンスターエナジー」にはカフェインが約140mgとレッドブルの2倍近く含まれていることになります。
エナジードリンク以外でも缶コーヒーにもカフェインが入っていますが、大体1本あたり100mg~150mgくらいのカフェインが含まれているものが多いようです。
ちなみに、ルーツが発売しているカフェイン含有量がコーヒーの3倍分というのが売りの「ハードウェイク」という缶コーヒーには1本あたり240mgのカフェインが含まれています。
ということは、「ハードウェイク」を短時間で約12杯飲むと致死量に達する計算になりますが、そんなに大量に飲む機会は普通ではあまりなさそうです。
最後に
カフェインは運転中の眠気覚ましや覚醒したいときに摂取すると効果がありますが、カフェインに頼りすぎると効果がうすれてきてカフェイン中毒になるおそれがあります。
カフェイン中毒になってカフェインを過剰摂取すると死に至ることもあるので、摂りすぎには十分注意しましょう。